第二章:どん底からの挑戦者

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中目黒はすぐに見つかった。180以上身長ある人間がこの学年にそうはいないからだ。 ただ、どうやって声をかけようか。冷静に考えれば体操着を借りあう仲ではない気がしてきた。 そうこう考えてるうちに向こうが郁に気づいた。 「あ、二宮くん」 中目黒は自然に話し掛けてくる。 それにしても、カッコイイな・・・。 ただなんだかバスケをした時よりはとっつきやすい。 「中目黒、悪いんだけど体操着貸してくれないか」 時間もないので単刀直入に聞くと、いいよと言って袋を渡された。 「洗濯して返すから」 「別に気にしなくていいよ」 と返された。 なにはともかく体操着は確保できたし。 「二宮はバスケやんないの?」 その言葉が郁をひきとめた。
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