第二章:どん底からの挑戦者

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家に帰った郁には、まず捜すものがあった。 「えーっと、バッシュはどこだー・・・」 ただでさえ汚い部屋の中をさらに荒らし回る。 おかしなものばかりがでてきて、昔の相棒はいっこうにでてこない。 「たしか、部活をやめてもバッシュだけはとっておいたんだけどなぁ・・・」 クローゼットの奥にひっそりと黒いかたまりがおいてあるのに気づいた。 いたいた、俺の相棒。 中を覗くとかいてあるサイズは27.5、まだはける。 「はは、くっせーな」 中2の夏、汗がまだ染み付いている。 けど、このバッシュも明日でお別れだ。こいつを捨てて、バスケに別れを告げる。
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