第二章:どん底からの挑戦者

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明日に備えて軽くランニングに行こうか悩んでいた時、郁の部屋の外から声がした。 「郁、いるかぁ~?」 なんとも間の抜けた声だ。そして郁の返事も待たずにドアを開ける。 「兄貴、帰ってたんだ」 どちらかといえば胴長、短足な郁とは対照的なスラリとした体格、彼が郁の兄である二宮 優だ。 優は神奈川県の私学に寮生として在学しているので郁と顔を合わせることはめったになかった。 「今からランニング行くから、ゲームなら付き合えないけど?」 兄が話かけてくる時はきまってゲームのお誘いだ。 「高校で部活始めたのか?」 「いや、別に・・・」
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