3人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日、警察がまた来た。
何やら事故を調べている様子で、知らない単語が行き交っていた。
有紗が両親と来たのは警察が帰った後だった。
「勇人…」
俺の名前をか細い声で呼んだ。
涙を流して、その場に倒れ込む。
『有紗っ‼俺はココにいるんだよっ‼』
「……」
叫んでも、届かない。
有紗は両親に支えられながら、泣き続けた。
聞いていて苦しくなった。
「病院に行ってみましょう。」
お母さんに促されて、ようやく歩き出した。
『俺も連れてってくれっ‼』
「……」
『置いていかないでっ‼』
「……」
独りになるのが嫌だ。
それ以上に、俺が今どんな状態なのかが知りたい。
不安でたまらない…。
有紗も両親も、俺には気付かなかった。
いくら彼女であったとしても、今の俺をどうにもできない。
気付けばまた取り残されていた。
最初のコメントを投稿しよう!