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いつものざわついた学食。
「吉永先輩遊ばれたんですよっ。」
「はぁ。」
「ほらあそこ。今日も別の男と一緒ですよ❗」
太田の指さす先には、学食に入ったばかりの嶋宮先輩がいた。
後ろには大柄な男性がいた。
「こらっ、指さすなよっ。」
太田の指が見えたのか、門脇の言葉が聞こえたのか、先輩は向きを変えて学食を出て行こうとした。
後ろの男性にぶつかり、笑い返した。
嶋宮先輩を見かけるのは久々だった。
笑顔を見たのも、久々だった。
学食を出て行く姿を眺めていたら、見慣れた笑顔が近付いてきた。
「有紗先輩っ❗」
太田は大声で彼女の名前を呼んだ。
有紗は笑顔で答えて、俺の隣に座った。
いつものメンバー。
いつもの昼休み。
いつもの時間。
俺はこの時間の流れを何の考えもなく繰り返す。
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