幽体離脱。

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目が覚めた時、俺は自分自身を見ていた。 『うあっ…⁉💥』 頭から血を流す俺。 それを見下ろす俺。 言葉にならない。 脇道から急に飛び出したワゴン車。 中から1人の男が降りてきた。 俺には気付かず、俺を眺める。 驚きの顔とは違う、どこか複雑な表情を浮かべる。 『早く救急車を呼んでくれっ‼』 「……」 男に俺の声は届かない。 それでも、俺は必死に訴えた。 『早くしろよっ❗死んだらどうするんだっ‼』 「……」 男は周りを見回した。 そして、すぐに車に戻り逃げ出した。 『おいっ‼戻って来いよっ‼‼』 俺は俺の前に取り残された。
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