幽体離脱。

4/6
前へ
/50ページ
次へ
周りには野次馬が10数人。 事故の知らせを聞いたのか、学事部の見慣れた顔があった。 「若い男性が事故にあったと聞いたのですが、学生ですか?」 「個人情報になるのでお答えできません。」 「大学の事務の者です。生徒なら保護者への連絡を…」 警察に身元確認をしている。 警察も事務の人だと分かったのか、私服の警官と一緒に大学の方へ歩き出した。 時間が経つにつれ、野次馬の数は減っていった。 警察も帰り、俺は独りぼっちになった。 冬の夕暮れは早い。 該当の少ない路上で、不安と絶望の中立ち尽くすことしかできなかった。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加