記憶

10/11
前へ
/209ページ
次へ
『ぁあ゙ー。どうしよう…』   支えにできるものを探したが壁だらけで、なにも支えになるものがない。     「ほら」 と母は車椅子を持ってきた。     車椅子…     『つッッ!!』   乗ると、今度は左のお尻が痛い。     下を向きながら痛みを必死で抑えていた。     『ハァハァ ハァ…ハァハァッ』     「大丈夫け?多分少ないしすぐ呼ばれると思うから。もう…」     痛い…痛い…     「「〇〇さーん」」 「ほら呼ばれたよ」   診察室に入る。 ベッドに横になろうとするが、余計にまた痛む。   『ゔッッ…ん゙んー!!』 「「ゆっくりでいいですよ」」 と看護婦さんは言った。     「「どうしたんですか?」」 お医者さんは聞くと、母が話した。     あの赤くなった痣を見せると、   「「打撲したような痣ですね、どこかで打ったとか、転んだとかはないですか?」」   とやはり打ったのではないかと聞いてきた。   でも私は寝ていて、起きた記憶が全く無い。母は寝ているときにトイレに行こうとした時に朦朧として転んだんじゃないかと聞いてきた、だが起きたことすら記憶に無い。
/209ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加