指先。

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口に含んだ最後のカレーを喉に流し込んで、私は固まった。 分からない。永至の学校での様子なんて。遠くから部活の様子を見てみたり、廊下を歩く姿を見たり。後は受動的に入ってくる永至の評判。私が知るのは、それだけなのだ。 黙り込んだ私に江梨子さんは不思議そうに私を見た。 「未来ちゃん?」 「わ、私――永至のこと、全然分かんないです。学校でも話さないし……」 「あぁ、そうなの。クラス違うんだ」 江梨子さんは困ったような寂しいような顔で「小さいころは毎日のように一緒だったから」言った。 江梨子さんの言葉に胸が痛くなった。 私は永至と出来始めた距離に気付いていなかった?違う。薄々気付いていたけど。だけど――。 「わ、私そろそろ失礼します。ありがとうございました。美味しかったです!食器洗って帰りますね」 椅子から立ち上がって私は食器をシンクに置いた。永至と江梨子さんは私が唐突に行動しだしたから目を丸くした。
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