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制服を着て、家を出る。向かいの家に目を向けたら、銀色の自転車があった。
……まだいるんだ。
それだけを思うと、私は学校へと向かった。
教室に入って特に誰に挨拶するわけでもなく、席に着いた。クラスにはほとんどの人がいる。登校時刻の5分前にくるからだろうけど。
「おはよう未来」
「おはよう」
私に挨拶をした綾は、斜め前の席に座った。
綾は高校入学した当初、隣だったから、自然と仲良くなった。そして二年生でも同じクラスになった。
「綾、またピアス開けたの?」
「あっ、分かる!?実はさー、彼氏にピアス貰ってね、ついでだから穴増やしちゃったんだ」
綾はそう言って笑うと、髪を寄せてピアスを見せてくれた。赤く光る綺麗なピアスだった。
「未来も開けなよ。絶対似合うし」「私は、いいよ」首を横に振ると綾はつまらなそうな顔をした。
綾と私は見た目からして対照的だ。
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