扉。

3/9
前へ
/195ページ
次へ
私は静かで特に校則違反したりすることはない。綾は髪を染めてスカートも短いし、ピアスも開けていて見た目はなかなか近寄りがたい。けど、サバサバしていてよく笑うから男女関わらず友達がいる。友達思いで優しい一面がある。彼氏は大学生で一度会ったことがあるけど、すごいかっこよかった。 一時間目の移動教室で廊下を歩いていると、「未来」後ろから声がした。 「永至……」 永至は私の前に来ると、「数学の教科書貸してくれ」と言った。「いいけど、席わかる?」「あぁ、分かる」私の頭を撫でるといなくなった。 「何してもイケメンだな。あいつは」 「あ、綾!?」 綾は私の隣にきてニヤリと口元を歪めた。 「顔真っ赤よ」 「っ、綾ってば!」 綾は豪快に笑いながら歩き出して、私は後を追った。
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!

190人が本棚に入れています
本棚に追加