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私はいつ頃からか、毎日のように泣くようになった。泣いてる私の傍に永至はいつもいた。何を言うわけでもなく、私の頭を時々撫でて。
『……未来帰ろう』
『帰りたくない』
『でも――親が心配するだろ』
『……親?』
私は永至を不思議そうに見ると、永至も私を不思議そうに見ていた。
身体が揺さぶれてる感覚がして目を開けると「おい起きろ」永至と目が合って、びっくりして「痛いっ!」ソファから落ちてしまった。永至は眉間に皺を寄せて私の腕をつかみ上げた。
きちんと立ち上がって「っ……、ごめんなさい」謝ると、「食べてるかちゃんと」永至は仏頂面でそう言った。私は頷くと「軽すぎ」と呟き、リビングを出ていった。私も永至に続いてリビングを出た。
手にした携帯を見ると、着信が三件来ていた。寝ていて気付かなかったから心配して来てくれたらしい。ちょっとしたことだけど嬉しくて、私は自然と笑みがこぼれた。
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