数学の授業1

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周りの奴等と視線を合わせたくなくて、顔を伏せて目を閉じていた 渦巻く思いと葛藤して…不意に、自分の名前が耳に入ってきた 「フェイド?フェイド?」 気付いて顔を上げると、アルスが目の前に立っていた 「大丈夫?もしかして寝てた?」 「あ…あぁ。いや、聞いてたが、気分が悪くなって…もう大丈夫だ」 「大丈夫?保健室行く?」 周りを見ると、他の奴等はいなくなっていた もしかして、俺が気付くまで待っていてくれたのか? どんなけ意識飛ばしてんだよっ! 「悪い」 アルスに気を遣わせたのも、自分が逃げるように意識を反らしたのも恥ずかしくて、顔が赤くなってないか気になる 机の上には、開いたままの教科書とノート 授業中の居眠りを疑うのも当然か…気をつけよう 慌てて教科書を片付ける俺を見てか、アルスがクスッと笑った からかうような悪気のある笑いじゃなかったが、アルスに笑われたのが恥ずかしかった 「いいよ。急がなくて。次は守護魔術だって。今日みたいな授業だといいんだけどね…実習室って言ってたから…」 「そうか」 アルスの表情が曇った 実習室ってことは、実技をやるんだろう 魔術に不安があると言っていたからな 守護魔術でそれだと、先が思いやられるぞ そう言う俺もエルバ先生の授業はもう受けたくない 絶対、光属性の魔術師に憧れを持っているに違いない 確かに…光属性に憧れる者は多いが、あれは異常だ 毎度、あのペースでやられたら身が持たない
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