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そこに居たどれだけの者が感じただろう
圧倒感ある魔力が、いきなり後方から現れ、急激に膨張するのが感じられた
巨大な魔力
だがそれは、魔族のように敵意ある魔力とは全く違う
パーン
瞬間、後方から白い光が放たれ、黒い光線を打ち消した
白い光がまるで雪のように人間の軍に降り落ちる
光の残存
それは先程の攻撃が、闇よりも光の方が勝っていたことを意味する
誰もが己の目を疑い、生きていることに安堵した
「よく死守してくれた!後はまかせろ」
その声に、数多くの視線が注がれた
後方にいたのは、軍でも最強と位置される『龍騎』の部隊
叫んだのは『龍騎』の総隊長だった
「『龍騎』!…ということは『白炎』も?」
沈黙を打ち消すように誰かが言った
それは静かであって、叫びのような望みが含まれていた
前に歩み寄ったのは年端も行かない男の子だった
小さめで軽そうな防具を身につけ、短い赤い髪が際立って見える
「後ろに下がれ!後は俺がやる」
少年の力強い物言いに、兵士達は不安を覚えた
こんな子供に何ができる
子供を戦場に出すなど…
前へ走っていく少年に近くの兵が手を伸ばす
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