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いったい何だってこんなに仕事が多いんだ!
叫びだしたい衝動をなんとかこらえて、仁科薫は作成中の書類の山に顔を埋めた。
ただでさえ仕事の多い公務員(つまり警察)・・・。
付け加えて昨夜から宿直当番でもないのに泊まり込みでパソコンとにらめっこを続けなければならないその原因とは・・・。
「おー。やってるか」
頭には寝癖をつけ、ほったらかした無精ひげがお世辞にもかっこいいとは言えない、のっそりと近づいてくる寝ぼけ眼の男に、仁科は殺意を込めた鋭い視線を送る。
(こいつだ)
こいつのせいだ。
「こええなあ。睨むなよ」
両手を挙げて苦笑しながら男・・・残念ながら先輩の田島が苦笑してみせる。
隣の席にどっかりと座った田島を見て、仁科はものすごく大きな・・・大きなため息を吐いた。
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