僕の父を紹介します

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父のパソコンに アイドルの水着の画像が大量にあったことは、 オレの心に そっと しまっておきます。 小学生の頃、オレは父と二人で釣りに行きました。 オレにとっては人生初の釣りでした。 不安がるオレを見て、父が「オレにまかせておけ」みたいなことを言ってたので安心しました。 …ん? …どっかで見たぞ …この光景… 焼き付くような夏の日差しの下、父は必死で闘ってました。 ありえないぐらい絡まった釣糸と… 今思えば、まるで、 去年の大晦日の「ボビー・オロゴンVSチェ・ホンマン」の試合を見てるようでした。 もちろん、父がボビーの方です。 ボ「まだやれるよー。 負けてないよー。」 …あははは 焼き付くような日差しの下、オレは海を見ながら立ち尽くしていました。 目の前には、 ただただ広がる海 突き抜けるような青い空 ゆっくりと流れる白い雲 太陽が夏であることを教えてくれる そう オレたちの夏は まだまだ続く 「完」 …すいません 勝手に自己完結してしまいました。 結局、 その後父がオレを釣りに誘うことはなくなりました。 …あははは 父は機嫌がいいとき、 よく鼻歌を歌います。 しかし、だれもその歌がなんなのかはわかりません。 何回聞いてもわかりません。 機嫌がいいときにしか鼻歌を聞けないので、なかなかわかりませんでした。 ある日、勇気を出してなんの鼻歌なのか聞いてみました。 俺「それ、なんの歌?」 父「わからん」 …あははは 父は、 自分もよくわからない歌を鼻歌にしていたのです。 その鼻歌は、今でもわかりません。 「父の鼻歌は、父だけのものなんですね」 …意味はわかりません 父のパソコンに アイドルの水着の画像が大量にあったことは、 オレの心に そっと しまっておきます。
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