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父は冬以外は、大体自転車で会社に通っています。
一度、父が自転車に乗ってるのを見たことがあります。
…ものすごいスピードでした
細い道ならば車でさえ父には勝てない気がします。
あ、サドルですか?
もちろん高いです。
早朝、
釣りに行くような格好のオッサンが
ものすごいスピードでチャリをこいでいたら、
それは
オレの
父かも
しれません
キャー
…さてと
では、今年の正月にあった事件を紹介します。
父が、母と二人でオレの車を借りて、近くに買い物に行ったときの話です。
三十分ほどで、二人は帰ってきました。
…なんか様子が変だ
俺「なんかした?」
母「あ、うん、えーと、実は…」
…父がオレの車をどっかの店のポールにこすったらしいです
キャー
すぐ外に出て、自分の車の傷を確認しに行きました。
なかなかベッコリいってました。
それを見て、オレの心もベッコリいきました。
何が切ないって、
その傷を寂しそうにさすってる父の背中が切なかったです。
愛しさと切なさと心強さと~♪
そのときのオレが持ち合わせてたものは、
切なさだけでした。
まぁ、修理代は父が出すらしいのでそこまでは気にしてませんでした。
問題は…
車以上にヘコんだ、
父でした。
家の中に入ると、
父は昼メシも食べずに自分の部屋にこもってしまいました。
母が父を呼びにいきました。
…五分後
母「なんか、
落ち込んでるみたいで…
ご飯食べたくないって…」
キャー
…いやいや
…フツー、落ち込むのはオレの方じゃなくて?
んー
…父よ
…がんばれ
結局
ふてくされた父は
夜まで部屋から出てきませんでした…
その日、
オレは、
ムダに気を使っていました
…あれ?
…オレは
…悪く
…ないよね…
…悪く、ない、よね?
キャー
元気ですかーっ!?
元気があれば、子供ができる!
いくぞーーーっ!!
いーち!
にー!
さん!!
…うん。
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