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「もうすぐ、夏休みだ…」
梅雨が明け、外の景色は一層鮮やかになった。
夏特有の、むあっとする熱気が窓から入り込んで来る。
「? 何で。いいことじゃん」
卓は、どう見たって夏休みが大好きそうな親友から吐き出された物憂げな言葉に驚く。
お前、宿題は最終日にやって、それまで遊び倒すタイプじゃん。
そして、宿題を写させてやるのが俺なんだけどな。
「……今年はちがーうぅ~」
「何。どうした」
将太は机に張り付いたまま、心の底から情けない声を出した。
「………だって……」
卓は将太のか細い声に耳を澄ませる。
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