1472人が本棚に入れています
本棚に追加
「ね。早苗ちゃんもそう思わない?」
将太は頬を膨らませながら隣の席の女の子に話しかける。
そんなの変だー!
俺が゙吉永"だったら間に合ってるし!
「わ、わたし!? えと…わたしは…」
隣の席の 飯田 早苗 (いいだ さなえ) はまさかの自分への質問に、思いっ切りたじろいでいた。
「ちょっとっバカショータ! 早苗の事困らせんなよっ」
その様子を見兼ねてか、教室の斜め後ろの窓際の席から、将太に文句が飛ぶ。
「げ。ミーコ…」
声の主は、ショートカットの髪にきりっとした顔立ちの女の子。
吉永 道子(よしなが みちこ)
通称゙ミーコ"
「名字が何だろうと、30分までに学校に着けば問題ないんだから。あんたが悪い」
「ひでー! ミーコには…名字が゙吉永"のお前には…出席番号1番の気持ちが分かるワケないだろー!!!」
最初のコメントを投稿しよう!