市川 将太

9/17
前へ
/443ページ
次へ
「ね。早苗ちゃんもそう思わない?」 将太は頬を膨らませながら隣の席の女の子に話しかける。 そんなの変だー! 俺が゙吉永"だったら間に合ってるし! 「わ、わたし!? えと…わたしは…」 隣の席の 飯田 早苗 (いいだ さなえ) はまさかの自分への質問に、思いっ切りたじろいでいた。 「ちょっとっバカショータ! 早苗の事困らせんなよっ」 その様子を見兼ねてか、教室の斜め後ろの窓際の席から、将太に文句が飛ぶ。 「げ。ミーコ…」 声の主は、ショートカットの髪にきりっとした顔立ちの女の子。 吉永 道子(よしなが みちこ) 通称゙ミーコ" 「名字が何だろうと、30分までに学校に着けば問題ないんだから。あんたが悪い」 「ひでー! ミーコには…名字が゙吉永"のお前には…出席番号1番の気持ちが分かるワケないだろー!!!」  
/443ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1472人が本棚に入れています
本棚に追加