市川 将太

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………結局。 担任の先生が折れて、ひとまず遅刻にはならずに済んだ。 将太と道子は暫くガルルル…と睨みあっていたが、担任の先生の「…分かったから、座れ」という諦めとも取れる発言によって大人しくなった。 「せんせっ、大好きー!」 言ったのはもちろん将太。 「バカショータ、調子に乗るんじゃないっ!」 道子も遠くから参戦。 「しょ、将太くん、良かったね」 早苗は嬉しそうな将太にそう言葉をかける。 「うん! 早苗ちゃん、ありがとね」 その言葉と共に早苗に向けられた将太の屈託のない笑顔で、見事に早苗の頬が真っ赤に染まったのを目の当たりにして。 道子はやれやれと肩を落とした。  
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