市川 将太

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「あ…」 教室につく直前、ドアから出て来た3人組と遭遇した。 「あ、ショータ~! アンタ朝から騒がしすぎだよ~」 そう明るく話し掛けて来たのは、3人組の残りの一人でもある 三原 泉 (みはら いずみ) である。 栗色のパーマがかった髪が、片方の耳元で一つに束ねられている。 それは泉の動きに合わせてふわりと揺れる。 「泉ちん! もーちょい俺の事援護してよー。出席番号1番って、辛いんだよ!?」 ぐすん、と聞こえてきそうな泣き声混じりで将太は泉に訴える。 「だから、出席番号のせいにすんなっつーの」 横から呆れたように将太を見るのはやっぱり道子だ。 「ミーコ! もーちょい俺に優しくしてくれっ」 「帰れ」 「ミーコのいけず!」 この二人のやり取りはもはや日常茶飯事。中学時代から繰り返されている。  
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