1472人が本棚に入れています
本棚に追加
(…卓…俺に気ぃ遣ってくれたのかな)
円香の世話をしていることは、家族以外では卓しか知らない。
別に隠しているワケじゃないけど…
あえて話すことでもないかと思っている。
何か……
何か………
「卓っ! 大好きだー!」
「! わっ! てめっ、ショータっっ! 離せ!」
「いやっ、離さないー!」
黙々と何食わぬ顔で弁当を口に運ぶ卓に、抱き着く。
力の限り抵抗されたが、それでもぎゅうっと抱きしめる。
クラスメイトはそんな将太と卓の様子を温かく見守る。
初めこそ将太の騒がしさに振り回されていたが、今ではすっかり馴れたものだ。
「…でも、大丈夫なのか?」
「ん?」
ようやく将太を引きはがした卓は、乱れた髪を撫で付けながら将太に問う。
最初のコメントを投稿しよう!