市川 将太

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「あいつらが言うみたいに、お前、最近朝いつもギリギリじゃねーか」 卓はスッ、と目を細める。 「円香ちゃんの世話。結構負担になってんじゃねーの」 ニコニコと笑っていた将太の顔が強張る。 「それ、は……」 「大体お前、高校でもサッカー続けるって……」 「いーんだよ! それはっ」 卓の声を遮るように、将太は声を張り上げた。 「将太…」 「いいんだよ。卓。マドちゃん可愛いし」 将太は新たに綺麗な笑顔を作る。 確かに大変だけど、それだけじゃないから。 マドちゃんといると、色んな事を学ぶ。 親が自分にかけてくれた愛情を知る事が出来た。 「……そっか」 卓はそれ以上追及するのを止めて「何かあったら協力するから」とまた箸を動かし始めた。  
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