プロローグ

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「マドちゃん、行くよー!」 「おー!」 「元気のいいお返事……って、マドちゃん! パジャマのズボン履いたまんま~っ」 「あれー?」 「はいっ! せーのっ」 「きゃあぁー」 朝の市川家は、いつものように騒がしい。 「脱げたか……よしっ! 気を取り直して、しゅっぱーつ」 「ぱぁーつ!」 今日も市川家のドアを、元気よく2人がくぐってゆく。 五月晴れの穏やかな陽気だ。 「んじゃっ、マドちゃん。頑張って来いよー」 「おにぃちゃんも、がんばってね!」 ブンブンと、体いっぱいに手をを振りながら保育園に駆けてゆく円香に、同じく将太も満面の笑顔で返した。  
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