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「…図書室に来るの、飽きないのね」
顔を上げた晴美は、図書室に入ってきた人物が将太だと気付くとそう呟いた。
「あ、当たり前だよ! 晴美ちゃんに会いに来てるんだから」
将太はたじろぎながらも正直な気持ちを口にした。
ゆっくりと晴美のいるカウンターに近付く。
その間も、晴美は手を休める事なく本の整理を続ける。
「ねぇ、晴美ちゃん」
カウンターの机に肘をついてもたれかかりながら、将太は晴美に話しかける。
「………何」
「晴美ちゃん、体育祭委員だったり…しない?」
もしそうだったら、めちゃくちゃ一生懸命になれそうなのになー。
なんて、淡い希望を抱いてみる。
「私、図書委員なんだけど」
あなた何言ってるの、と言わんばかりの冷たい目線と共に、最もな言葉が将太に向けられた。
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