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「……今日は、帰らないの?」
将太が一人心の中で騒いでいると、静かに晴美がそう言った。
落ち着け、俺の心臓!
自分にそう言い聞かせると、未だどこかフワフワとした気分のまま将太は答える。
「今日は、いいんだー! お迎えないし」
―――俺のしてきた事は無駄じゃなかった。
(一時はどうなるかと思ったけど…)
「お迎え…?」
「あ!いや!……何でもないっ」
「……」
最初の頃は、話しかけても相槌すら打ってくれなかったのに。
今は、こうして。
会話をして同じ時間を過ごしているから。
(ちょっと…前進…かな?)
晴美が少し自分に心を開いてくれたことに、将太は喜びをかみ締める。
そして、前より一層 晴美を想う気持ちが胸に満ち溢れていた。
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