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「…円香に手がかからなくなったから、仕事に復帰する事にしたんだけどなぁ…」
「多分…2年くらいになると思う」
「…どうしよう……円香もいるし…」
「スマン…」
そんな両親の会議が繰り返される事、数回。
打開策が見つからず、みちるがやはり仕事を辞めるという結論に辿り着こうとしていた時。
「俺、マドちゃんの世話するよ」
あまりに暗い両親の様子を、さすがに変だと思って会議を盗み聞きしていた将太がそう申し出た。
「「え?」」
俯いていた二人の顔がぱあっと明るくなる。
「いいよ。俺。高校で部活に入る予定もないし。何より可愛いマドちゃんの為ならっ! ねーマドちゃん!」
「? ねー」
円香も訳が分からないながら、将太の笑顔に誘われてたどたどしくも相槌を打つ。
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