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やっぱり、名前言ってなかったのマズかったかな。
―――あの日。
晴美の名前を知って(その時すでに告白してたけど)、卓にも言わなきゃと思って図書室を飛び出した。
でも―――
何となく、特別で。
自分だけが知っていたいような気がして。
結局、卓には「会えた!」とだけしか報告しなかった。
卓もただ「良かったな」と微笑んで、それ以上は詮索してこなかった。
「――ま、とりあえずメシでも食うか。将太、弁当?」
「あ、いや。今日は購買のパン買おうかなーって思って」
「じゃ、行くか」
何事も無かったかのように、卓は腰を上げた。
将太もそんな卓についていく。
(卓…晴美ちゃんのこと、何か知ってるのかな)
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