キョン子の憂鬱

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歯を磨こうと席を立つと、母が話しかけてきた。 「今日、出張だから帰ってこれないけど、大丈夫?」 母は女手一人で俺を養っている。父親は俺が幼いときに事故死した。そのせいか 、父親の顔を知らない。 「大丈夫」 それだけ言って俺はリビングを出た。 母の出張はよくあることで、そのおかげで料理も上手くなった。 一ヶ月くらい居ないときもあったりする。 その時は、正直ヤバイと思ったが、なんとかなった。というか、援助があった。 俺の家は親が不在の時が多いから、周りの家の人が気をきかせてくれる。 特にお隣さんとの仲は良すぎるくらいだ。 まぁ、親同士が同級生の親友なら仲も良かろう。
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