キョン子の憂鬱

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こいつはキョン子。 キョン子と言うのはあだ名で、本名ではない。 こいつとは、幼いときからの知り合いだ。 世間一般では、そのことを幼馴染みという。 そんなことどっちでもいいが。 俺が想いを寄せている人。と言えば聞えはいいが、これが恋なのかは定かだ。 ただ、一緒にいるとドキドキするし、緊張もする。 「何してたの」 「別になんでもない」 案の定、顔を見ることは出来なかった。 顔を見れない理由を話したら完璧、覗きだと思われる。 なにせ、こいつは人の話を聞かない。 俺は靴を履く。 鞄を持って、ドアに手をかける。
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