78人が本棚に入れています
本棚に追加
さっきから、俺がキョン子の事を盗み見していることに気付いたようだ。
今朝の事は言えない。
「お前、変わったなぁって思って」
冷静を保ちながら嘘を言う。
「どこが?」
「昔は、よく泣いてたし、俺より大きかっただろ」
「それを言ったら、あんたなんて、私より大きくなってるし、声も変わったし、
それに――」
キョン子の声が小さくなる。
俺は最後の方が聞き取れなかった。
「え?」
だから聞き直した。
「ううん。なんでもない」
キョン子はそれだけ言って、笑顔になった。
その笑顔を見て、俺も笑顔になった。
今日一日頑張れる。
最初のコメントを投稿しよう!