キョン子の憂鬱

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さっきから、俺がキョン子の事を盗み見していることに気付いたようだ。 今朝の事は言えない。 「お前、変わったなぁって思って」 冷静を保ちながら嘘を言う。 「どこが?」 「昔は、よく泣いてたし、俺より大きかっただろ」 「それを言ったら、あんたなんて、私より大きくなってるし、声も変わったし、 それに――」 キョン子の声が小さくなる。 俺は最後の方が聞き取れなかった。 「え?」 だから聞き直した。 「ううん。なんでもない」 キョン子はそれだけ言って、笑顔になった。 その笑顔を見て、俺も笑顔になった。 今日一日頑張れる。
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