非日常の始まり 情報屋主観

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「さて、と」 チャット画面をそのままにして臨也は立ち上がる。 「鍋パーティーやるとして、どこでやろうかな…?」 きっとセルティは新羅とシズちゃんを呼ぶだろうからなぁ… 俺の家に呼んでもいいんだけど室内を壊されちゃたまったもんじゃないからね そう思いながら受話器を片手にタ〇ンページをめくった。 「ねぇ、波江 シズちゃんに破壊されても大丈夫な店知ってる?」 目は向けずに波江に聞く臨也。 「知らないわね そんな店」 今日の仕事は終わったのかソファーに座って紅茶を飲んでいた。 「だよねぇ」 臨也はまだパラパラとめくっている。 「それにしても、あなた何やってるの?」 「見て分かんない? タ〇ンページで店を探してるんだよ」 話している間もパラパラとめくっている音がする。 「それぐらいは見て分かるわ 今1時よ?」 パラパラ… 「それぐらい俺だって知ってるけど?」 パラパラ… 「………………… 夜中の1時にやってる鍋の店なんてないわよ?」 パラ… 「あ…」 タ〇ンページをめくっていた手が止まる。 「それじゃ、帰らせていただくわ」 波江は帰っていく。 臨也はため息を吐いてから 「風呂、入ろ…」 と言って受話器とタ〇ンページを置いた。 ***************************** 風呂から上がり、ふと携帯を見るとチカチカと光っている。 「?」 どうやらメールのようだ。 「波江から?」 忘れ物でもしたのだろうか そう思いながらメール画面を開くと 【今思いついたのだけど、破壊するものがなければいいんでしょう? だったら屋外鍋パーティーにしたら?】 「確かに…」 決して無いという訳ではないのだが、まだ公共物なら俺が困る事はない。 まぁ、困る事はないと思いつつも必ず静雄は怒り、その公共物で臨也を殴ろうとするのだが。 臨也はさっそくみんなに伝えようとしたが… 「あ…」 夜中だった そう思ってパソコンに向かっていた足をクルリとベッドへと向けた。
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