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「あぁ、つまらない」
椅子に座ってくるくる回りながら呟くのは 折平臨也
「つまらないよねぇ、波江」
臨也はそう言いながら仕事をしている波江の方に向き、話しかける。
「そうかしら
私は仕事をしている間でも誠二の事を考えているからつまらなくないわ
むしろ楽しくて楽しくて…」
波江が言った誠二は実の弟なのだが臨也はたいして気にもせずに聞き流す。
「波江に聞いた俺が馬鹿だったよ」
そしてパソコンの方にクルリと向きを変える。
「そうだ!
今回は面白い非日常を作ってみようか…」
臨也はニヤリと笑いながらカタカタとパソコンに文字を打ち始める。
チャットのハンドルネームの甘楽として。
『皆さん今週末暇ですかぁ?
暇なら皆で鍋パーティーしませんか?』
「さぁ、いつもと違う非日常の始まりだよ」
臨也は笑う。
楽しそうに、愉しそうに、娯しそうに。
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