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「元気なのがあたしの取り柄ですから!」
「ふふふ」
「とりあえず愛梨、いいかげんアクアさんの手を離したら?」
「ん? おお、ごめんごめん」
ぱっと手を離し、愛梨は再びアクアの目を見つめてくる。
「あ、あの・・・」
「よし! これからはあたしのことを愛梨って呼んで、アクア!」
「え?」
「だ~か~ら~、あ・い・り! 友情の証さ! あたしもアクアって呼ぶからさ!」
「あ、はいええと・・・」
「そんなに難しく考えないで」
「え?」
アイスが、柔和な面持ちでアクアを見つめている。
「愛梨はただ、アクアさん--アクアと友達になりたいの。もちろん私も」
「・・・ほんとうですか?」
「もちろん」
アイスの笑顔がそこにあった。
「私はアイス--アイス・フローゼン、オレンジぷらねっと所属のシングルよ。趣味は読者かしら。尊敬する人は『水の3大妖精』の方々だけど、やっぱり同じ事務所の先輩のアリス・キャロルさん」
そこまで言うと、アイスが手を差し延べてきた。
「よろしく、アクア」
しばらく黙っていたアクアもその手を握り、
「よろしく--アイス!」
(今日で友達が2人も出来たよ・・・お母さん)
「あたしのことも忘れるなよ!」
飛びついてきた愛梨の手を握り、
「もちろんだよ、愛梨」
「よかったね、アクア。そうだ、これからはこの4人で合同練習しようよ」
「アイ、それ良い案!」
「練習方法のバリエーションが増えて助かるわ。いいかしら、アクア?」
「こちらこそ」
「みんな、ちょっといい?」
「はい?」
4人の会話に入ってなかった灯里が、アリア社長を抱き寄せながら呟いた。
「そろそろアリア社長のおなかが限界に近いから、昼食にしない?」
「ぷいにゅ~」
ぎゅるるる~。
「あ」
アリア社長のおなかの音を聞きどっと賑わいだ一同は、
「では、みんなでお昼にしましょう!」
「はい!」
「ぷいにゅ!」
「ふふふ」
こうして、灯里の紹介する店へとゴンドラは進み出した。
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