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「私たちが本気でアクアに怒るわけないじゃない」
「そうそう。そのオール捌きはアクアの『頑張り』なんだからさ。親友としてちゃんと認めないと」
「二人とも・・・」
二人の言葉に、アクアの瞳には涙が浮かんでいた。
「ちょっと、涙もろ過ぎるよアクア。ちゃんと前見て漕いで」
「ぐす・・・ありがとう、アイちゃん」
「さて、アクアの実力もわかったことだし、次は何すんの?」
「そうねぇ、まだ時間はあるし、アクアにこのネオ・ヴェネツィアの案内でもしましょうよ」
「それいい! 近いうちにやろうと思ってたの」
「じゃあ決まりだな」
「みんな、私のために案内してくれるの?」
「当たり前だよ!」
「当たり前じゃない」
「当たり前のさクラッカー!」
・・・一人可笑しい人がいた気がするけど、そこはノープロブレム。
アイが、
「アクアってネオ・ヴェネツィアのことはもう調べたんでしょ?」
「うん、ため息橋やサン・マルコ広場の名所らしい名所は一通り」
そんなアクアの勤勉さを再確認した愛梨とアイスは、
「じゃああたしらしか知らない『隠れ名所』に行くしかないっしょ!」
「そうね、そのほうがアクアの案内技術が向上するし、私達の実力も高まるわ」
「行こう行こう」
「じゃあアイちゃん、漕ぐのを交代してくれる?」
「よしっ、まかされた!」
最初は一体どこに行くのか、アクアは胸のドキドキが止まらなかった。
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