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「えーと、新人さんは、誰だろう。
カフェ・フロリアンに到着したけど、灯里さんから何も聞いてなかったし、どうしよう」
(これは一度戻って灯里さんに聞かないと、ダメかもしれない)
そう思い、店を出ようとすると、
「おやおや、アイさんではありませんか」
「あ、店長さん。どうもこんにちは」
「こんにちは」
カフェ・フロリアンの店長さんとは、ARIAカンパニーに入社したときに知り合いになり、それ以降この店に行く度に世間話をするようになった。
「本日も当店のカフェラテを飲みにこられたのかな?」
「いえ、今日は待ち合わせをしてるんです」
「ほう、待ち合わせですか。いったいどなたです?」
「それが、灯里さんからどういった人なのか聞くのを忘れてしまって」
(このままだと、相手に迷惑をかけてしまう。早く灯里さんに聞かないと)
「すみません急いでいるので、カフェラテはまた後で飲みに来ます」
そう言い、走り出そうとすると、
「待ちなさい」
「え? あ、はい」
(なんだろう・・・)
「もしかして、待ち合わせの人はそちらの新入社員さんかな?」
「どうしてそれを?」
「もしかしたら、あちらの方がそうかもしれませんぞ」
「え? 本当ですか?」
店長さんが指すほうには、帽子を被った一人の女性がいた。
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