43人が本棚に入れています
本棚に追加
「ぷぷいにゅー」
「む・・・ぷは!」
あまりの息苦しさに、アクアは目覚めてしまった。
「あ・・・ここは」
昨日灯里とアイとアリア社長に歓迎パーティーを催してもらったあと、そのままアイとアリア社長と一緒にARIAカンパニーに向かった。
その後もアイと色々なことを話したが、睡魔に負けて寝てしまったようだ。
「・・・私が初めてここで迎えた日・・・」
「うぅーん・・・あれ? アクアちゃん、もう起きてたの?」
どうやらアクアの声でアイが起きたらしい。
「はい。すみません、起こしてしまって」
「それは別にいいんだけど・・・」
アイがアクアの顔を凝視している。
「あのう・・・なんでしょうか?」
「アクアちゃん、私たちって同期じゃない?」
「え? あ、そういえばそうですね」
「そうですね、じゃないでしょ!」
アイがアクアの肩を掴んできた。
「だったらそんな敬語で話さない! アイ『さん』じゃなくて、アイ『ちゃん』でいいじゃん。ね?」
「え・・・あ・・・」
しばらく沈黙が続いたあと、
「ぷいにゅー」
と、アリア社長の声。
(・・・よしっ!)
「ア、アイ・・・ちゃん」
「大きな声で」
「・・・アイちゃん」
「もっと!」
すぅっと息を吸って---
「アイちゃーーーーーーん!!」
---ARIAカンパニーの建物全体に響く大きな声だった。
「うん! それでいいよ!」
「わあ・・・アイちゃん、なんかすっきりしたよ」
「そうでしょそうでしょ! これで私たちは、同期で『親友』だね!」
「・・・うん!」
「アイちゃーん、アクアちゃーん、アリア社長ー。朝食出来たよー」
下の階から、灯里の声が響いてきた。
「「はい、わかりました!」」
「ぷいにゅー!」
「アクアちゃん、急ごう!」
「うんっ!」
アクアが階段を降りようとすると、
「そういえばアクアちゃん・・・」
「なに?」
「その制服・・・似合ってるよ!」
「うん・・・ありがと!」
「ぷいにゅ!」
「アリア社長も!」
アイとアクアとアリア社長は、先輩を待たせてはいけないと、急いで階段を降りた。
最初のコメントを投稿しよう!