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「わあ。似合ってるよ、アクアちゃん」
「ありがとうございます!」
下の階に降りてきた2人は、トーストからの香ばしさと、灯里の笑顔に迎えられた。
「ぷぷい」
「わかりましたよ、アリア社長」
灯里が手早くみんなの朝食をテーブルに運んでいる。
「あ、私たちも手伝います。アクアちゃん!」
「うん」
二人は灯里を手伝おうとするが、
「今日はアクアちゃんがARIAカンパニーで初めて働く記念日なの。それに、忙しくてアイちゃんの片手袋(シングル)昇格祝いもしてなかったから。今日は2人が主役だから、ゆっくりしてて」
灯里は後輩2人のことを気遣ってくれているようだ。
「そんな。灯里さんにはいつもお世話になってるのに、私が片手袋に昇格したくらいで、一人前の灯里さんに比べたらまだまだです!」
「わ、わたしもまだ何の結果も残せていません。灯里さんやアイちゃん、アリア社長に一人前のウンディーネとして認めてもらえるように、いっぱい頑張らないと!」
2人は灯里が口を開くよりも早く、朝食の準備を始めた。
と、きょとんとしていた灯里だったが、
「--ありがとう、2人とも」
「ぷいにゅ」
灯里が呟いた言葉は、アリア社長にのみ届いていた。
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