序章

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「今日も異常なしか」  そう呟くと、レキはグラスに残った白ワインを飲み干し、タバコをくわえ、自室へ戻ろうと振り返った。その時――。  冷たい風が吹き抜けた瞬間、背後から爆発音が轟いた。 「何事だ!!」  ワイングラスを落としたことも気にせず、バルコニーから爆発音がした方角を見る。 「あれは……まさかグラナダ!?」  中心地が赤い炎に包まれていた。そこにはグラナダと呼ばれている円錐形の白い塔があり、グランデアの中枢となっている。グランの五人の住居でもある場所だ。
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