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いざ出発
初男は健太が行くとしたら、秘密基地しかないと考えた。
それは高台にある小さな公園の隅、雑木林の中に段ボールとトタンで作ってあった。
初男が中に入ると、やはり健太はあぐらをかいて座っていた。
「健ちゃん!」
健太は初男を見ると満面の笑顔で言った。
「やっぱり初ちゃんは来てくれたか」
「みんな心配するから戻ろうよ」
しかし健太は唐突な返事を返した。
「初ちゃん、喋る猫知ってるかい?」
初男は口を開けてポカンとした。
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