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「眠れないのかい?リオウ」
ジョウイは、リオウを見つめ聞いた。
二人は、同じキャロの町の出身の幼なじみで、幼い頃から共に遊び学んできた。
「あぁ、明日キャロに帰れると思うと……」
そう、故郷に帰れる。
二人がいる、ユニコーン隊は王国に属している少年兵だけの部隊で、王国と都市同盟の国境近くにある山道に駐屯している。
そして、その王国と都市同盟が休戦協定を結び、長らく続いた争いは終息した。
兵役をとかれ、故郷に帰れるのだ。
「ふふ、僕もさ、ナナミ元気にしているかなぁ……」
ナナミは、リオウの姉である。
ナナミはいつも優しく、二人を見守ってくれていた。
「あぁ、じいちゃんの墓参りをしながら僕らの帰り待っているさ……」
ゲンカク……。
リオウとナナミの育ての親。
時に厳しく、時に優しく育ててくれた。
武術はゲンカクに習った。
幼い頃、リオウとナナミが稽古をしているのを、のぞき見していたのが、ジョウイだった。
そして、ジョウイも、稽古に加わるようになり、いつしか、リオウとジョウイは友になった。
「さて明日のためにも、そろそろ寝るとしようか?」
このテントの中にいる後の二人はもう寝ている。
この二人は帰れるのは、四日後だ。
「あぁ、寝ないと隊長にどやされる」
そう二人で笑いあい、眠りについた。
夜が更けていく。
聞こえてくる歩哨の呼び交わす声は、だんだんと遠くなっていった。
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