第五章「朽ち果てる村」

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「お前達のせいさ!!」 ラウドの顔が歪む。 「あの時、あの森で、大人しく殺されていれば、こんな面倒な事にはならなかったんだよ!」 ラウドが、怒りとも笑いともとれない表情で叫ぶ。 それに気圧されたのか、ジョウイは一歩引いてしまう。 「さてと、そろそろ戻るか」 ラウドが後ろを向いて歩き去ろうとする。 「待ちなさいよ!!」 ナナミはジョウイを応戦しようとしたが、リオウに止められる。 「そっちのお嬢ちゃんも、日にちは違うが二人の後を追えるから楽しみにしてな。 後、面倒な裁判もサービスしてやるから期待してて良いぜ」 ラウドは背中越しに言うと、どこかに消えてしまった。 *********************** 石畳のでこぼこが振動となって伝わってくる。 こんな田舎街に兄はなんの様があるのか。 ジルは馬車のなかで、その振動を感じながら思った。 兄は何か凄まじい事をしようとしている。 それをとめにきた。 兄が何をしようとしているのかは、知らない。 しかし、止めなければならない。 そう思う。 「姫さま。 前方に人だかりが」 運転手が声をかけてきた。 馬車の窓から顔を出してみる。 確かに人だかりができている。 「なにかあったのですか?」 「確か今日は、反逆者達の処刑があったはずです。 たぶん、それででしょう」 前方から人だかりが、左右に割れた。 そのわれめから、兵士達が歩いてくる。 運転手は馬車を止めて、兵士達に軽くだが敬礼をした。 馬車に乗っているのが私だとわかったのだろう。 兵士達も足を止めて敬礼してきた。 そして、兵士達は流れていき、捕まった者が見えてきた。 二人組だ。 「まだ子供ではないの」 ふと、横まで来たときに言ってしまった。 兵士達は立ち止まり敬礼していくので、その二人も立ち止まった。 「貴女も子供でしょう」 片方の少年は言った。 確かにそうだ。 この二人組と自分はあまり歳は変わらないと思う。 「皇姫さまに向かって!! 口を慎め!反逆者!」 運転手が言う。 「皇姫? じゃあ、あの狂皇子の妹か。 貴女は……。 では覚えておいてぐたさい。 僕達が王国(くに)を裏切ったんじゃない。 王国(くに)が僕らを裏切ったんだ」 「なにを!!」 運転手が叫ぶ。
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