第二章「約束」

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「リオウ、今のうちにっ!」 ジョウイが、崖から飛び降りようと、目で言っていた。 「うん……」 もう覚悟はできた。 うなずくとジョウイは腰に入れていたナイフで、岩に傷を二つ入れた。 「リオウ。 もし、僕らが生き延びて……でも、離ればなれになってしまったら……その時は、ここで落ち合おう事にしよう」 首を縦に振り、ジョウイと並んで崖の淵に立つ。 「行こう」 リオウは言った。 ジョウイはうなずき、同時に身をなげだす。 真っ暗な空。 星は見えず、月だけが煌々と輝いている。 遠くで滝の音が聞こえる。 ジョウイと遊んだ日々が、ナナミと暮らした日常が、今鮮明に蘇ってくる。 まだ僕は生きたい。 リオウはそう思った。
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