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案の定、彼のいう通りチャイムが鳴り響き、俺達は講義を受けるため、その場を後にした。
ーーーーーー
「お前よくあいつと話せるな」
「え?何のことだい?」
チャイムが鳴ったため、駆け足で講義室に入った俺達は各々の場所に座るべく、その場で会話が終了した。
そして、腰を下ろしたのもつかの間、友人が顔を青くして話しかけてきたのである。
友人の視線の先には先程まで話していたイヴァンがおり、彼の半径3メートルには人一人いなかった。
「そういえば、彼嫌われてたんだっけ…」
イヴァンは特に何をしたわけでもないのに、声をかければ脅えられ、頼みごとをすれば即一つ返事が返ってくる。
子どものような無邪気さと妙な威圧感が恐がられる原因となっているのかもしれない。
と言っても俺は別に恐くないし、マシューだって普通に接している。
「そんなに気になるなら話かければいいじゃないか。ちっとも恐くないんだぞ。」
「そんな風に思えるのはお前くらいだよ」
「そうかなぁ」
そんなことを言いながら、彼を見やると俺を視界に入れ、にこりと笑った気がした。
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