62人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい!何だよ、その反応!」
夢から覚めた俺は目の前で繰り広げられる現状についていけず、『そいつ』を見ることしか出来なかった。
彼は同居しているマシューでもなければ、大学に通っている友人でもない。
ましてや
「手のりサイズだからってばかにするなよ!」
人間でもない。
彼はぽこぽこと怒りながら、背中に生えている純白の『羽』をぱたぱたとはためかせた。
先程浮いてた際、羽に動作がなかった所を見るとどうやら、感情によって羽が動くらしい。
ということは
「これは夢なんだぞ」
「ちょっ、おい!何で寝るんだよ!」
手のひらサイズ+羽が生えている人間がいないことは百も承知なので、早くこの悪夢から覚めようと再び目を閉じた。
だが、彼は俺の行為を許さず、勢いよく布団をもぎ取ると俺の顔をばしばし叩いた。
その行動に不愉快になったが、痛みを感じるということは夢ではないらしい。
しかし、黙っていても状況は変わらないのでとりあえず体を起こすことにした。
すると、ファンタジーな姿をした彼は嬉しそうに微笑み、俺に近寄った。
最初のコメントを投稿しよう!