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「だって君怒ってるように見えないからさ。それに小動物みた…あ゙ーっ!!」
「ぷぎゅっ」
「もうこんな時間じゃないか。早くしないと遅れるんだぞ!」
「てめぇ、潰したことは無視か」
彼を見た時、視界に入った時計は8時半を示しており、9時に予定が入っている俺はつい手に力を入れてしまった。
握力が強い俺に潰されなかったことに内心安堵し、彼を一瞥すると手早くパーカーとジーンズに着替え、時計の横に置いている眼鏡を手に取った。
乱雑にドアノブを捻った為そこからは厭な音が響いたが、構わずリビングにある鞄を肩にかけ、外に出た。
「あ、出ていけって言うの忘れた」
何時もの調子で家を出て来たが、不法侵入者はまだ部屋にいる。
しかし、これと言って何か出来るわけでもないし、彼は幻覚だと思い直し、今やるべきことを果たす為目的地へ足を踏み出した。
ーーーーーーー
「セーフ!」
「お、アルフレッド今日もぎりぎりだな」
「そのうち遅刻すんじゃねぇの」
マンションから自転車で40分はかかるここに25分で着いた俺は友人が座っている隣の席に腰を下ろした。
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