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そう俺は曲がりなりにも大学生だ。
この大学は講義に遅れても支障がないスタイルだが、俺はほとんどの講義に出席している。
このテンションと性格からお前らしくないとよく言われるが、マシューが起こしてくれなければ確実に遅刻常習犯となっていただろう。
その当のマシューは今不在の為、自力で起きるしかないのだが、今日は幸い幻覚のおかげで起きることができた。
「ちょっと顔洗ってくるよ」
そういえば顔洗ってなかったなと思い起こし、トイレへ向かうべく、一度下ろした腰を上げた。
友人はまたかという呆れた表情を浮かべており、俺はそんな彼らを一瞥し歩みを速めた。
ーーーーーーー
「よし!OKだぞ」
「何がOKなの?」
「…………」
「わー、あからさまに嫌そうな顔したね」
トイレで顔を洗い、意気込んだはいいが、鏡に映っている男に言葉を失ってしまった。
「君、いつからそこに?」
「え?さっきからいたけど」
「ちょっ、そんな気持ち悪いことしないでくれよ」
「えーそんなに僕と話したかったの?黙ってないで話かけろなんて」
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