1) 殺意の刻印

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「あぁ、そういえば聞いたか? 例の連続殺人事件、昨日4人目の被害者でたんだってよ」 不意に弘司が切り出してきた『例の通り魔事件』というのは、ここ3日間ぐらいに連続してこの地域で起きている殺人事件のことだ。 犯行時刻も被害者の特徴もバラバラだが手口は決まって鋭利な刃物で何箇所も刺し、死体の側には『私は生きる。これはそのための生贄なのだ』と書かれた板が落ちているという話だ 「知ってるよ 良くこの学校閉鎖しないよな」 オレはそう弘司に返す 「ホントだよなぁ 事件現場に一番近い学校なのにな」 キーンコーンカーンコーン 「お、休み時間終わりか 次なんだっけ?」 弘司は時間割を見ないのでいつもオレに聞いてくる お蔭様で時間割は頭に入っている オレと弘司の2人分が 「英語だよ オレもお前も」 「うわ最悪… 課題やってねぇんだよ…」 「………ざまぁ」
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