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北嶋に繋げ!!
俺は祈るように食い入って盗み見る!!
千堂「ん?タマ?」
女の視点が歩いてきた小動物に向く。
―――勇の着替えのバックを取りに来たのだ。
小動物が北嶋のバックを?
犬か・・・・いや・・・仔狐?
!!
もしかしたら!!あれが白面金毛九尾狐か!!
急に背筋が寒くなった!!
他人の目を介しているとはいえ、俺は伝説の大妖を見ているのだ!!
九尾狐は女の前を悠揚と通り過ぎ、バックをくわえた。
千堂「ち、ちょっと!!勇さんはどこにいるのよ!!仕事はどうするの!!」
流石に慌てて九尾狐を止める女。
―――昔鉱山で仕事をしていた者と知り合いになってな。色々聞き出す為に暫く張り付くようだ。貴様は引き続き鉱山跡地で調査しろ、との事だ。
何か解った時にのみ連絡し合う事にする。
確かに伝えたぞ。
九尾狐はつまらなそうに、女の前を通り過ぎる。
千堂「じ、じゃあ勇さんはここに帰って来ないの?」
―――案じなくとも、勇はちゃんと仕事をしておる。せっかく二人いるのだ。二手に分かれて調査した方が効率が良かろう?
九尾狐の正論に、黙るしかない様子の女・・・
北嶋に連絡をしない女に苛立つ俺は、握り拳で床を叩きつけた。
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