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千堂「な、何何何何???」
女が怯えながら首を横に振る。
―――貴様は憑かれていたのだ。正確には共有されていた、と言った方が正しいか。
この女の瞳の奥に、長い髪をした青白い男が居た。
此方の動向を探ろうとしている男だ。
千堂「私に?共有??」
女は信じられないと言わんばかりに呆けている。
この女もなかなかの術者ではあるが、瞳の奥の男の方が技量は上だ。
妾でなくば解らなかったであろう、天晴れな気配の消し方。
―――安心せい。妾が追い払ったが故、大事には至らぬ。恐らく、貴様に憑いていた男が事件の鍵だ。
事件の鍵と聞いて、女の表情が凛々しくなる。
千堂「・・・・特徴は?」
ふん、負けん気だけは尚美に勝る女よ。
この女は気に入らぬが、これは勇の案件に関わる事。
妾も協力は惜しむ事は無い。
―――髪の長い、やつれた感じの青白い顔の男だ。呪術を生業としておる様子・・・心して掛かれ。
千堂「・・・・解ったわ・・・・ありがとうタマ。」
女は素直に妾に礼を言う。
妾は変化を解き、カバンをくわえて、女の前から立ち去った。
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